自分史

近況・その10 (2004年10月)

最近は、「アンダーカヴァー」という、裏原のカリスマと言われているブランドばかりを着ている。パンクスを原点にしているのだが、数年前の東京コレクションで発表された作品を見たときには、びっくりしてしまったことを思い出す。

これもかなり前の話だが、当時、話題になっていたアフガニスタンのタリバンを批判し、昔のアフガンの女性はもっと自由にお洒落を楽しんでいた、というメッセージを込めて、表紙の子供を抱えた母と子供の顔を削って消した写真を表紙にした、フランスのVOGUE誌にも驚いた。しかし、あろうことかアンダーカヴァーは何とモデルにブルカを連想させる白い覆いを顔に被らせ、カラシニコフを連想させる傘を持ち、弾帯に見せかけた硝子のアクセサリーを肩から斜めにかけさせて、ショーに臨んだのである。

 ファッション誌がこれを見逃すわけがなく、多くの雑誌が、東京コレクションの筆頭の話題に取り上げていた。

現在は東京コレクションを離れ、2002年からパリコレに進出しているのだが、昨年オレがイラクへ行くために、アムステルダムから飛行機に乗ってヨーロッパ上空をヨルダンに向けて飛んでいるときに、彼らは、オレの乗っている飛行機の下のパリで、コレクションの準備に勤しんでいたのである。思わず、オレの頭に「翼よ、あれがパリの灯だ」という言葉がよぎったことは間違いない。パリコレと、アンマン経由で砂漠を横切り、バクダッドへ向かおうとしているオレとの落差は一体何なんだと、頭が痛くなってしまった。

 バクダッドへ着いてからも、今度はバース党(いまやすでに旧政権と化しているので残党が地下に潜っているのであろうが)主催のファッションショーを見させられることになるとは、これまた面白すぎる出来事であった。詳しくは“PANTAとレイニンの反戦放浪記”(彩流社・刊)という本に書いてあるので、興味のある方は読んでみてください。


話は変わりますが、ポストペットというメーラーをご存じない方は少ないでしょう。

 あまりにも有名な、ペットがメールを運んでくれるというメールソフトで、一時期はその新製品の発売のカウントダウンが行われ、大行列が出来たくらい大変なものだったのです。

 いまもオレはポストペットを使い、テスタロッサというカメ(亀)とアバンチュール・ランボー(アルチュールではない)というメカを飼っているのだが、そのポストペットを作っているペットワークスの連中とは、ひとかたならぬつき合いをさせてもらっている。

 Ver.2では筋肉少女帯の内田とともにマッスルポリス(筋肉警察)の部屋というものをポストペットの部屋のひとつに作った。

 安田講堂らしきものが窓から見え、ゲバラらしきポスター、火炎瓶のような空き瓶などが何気なく置かれたどこかの部室のような部屋には、ゲバ棒らしきものや左用のストラトキャスターなども置かれ、マニアには喜んでもらえたと思う洒落た部屋であった。

 いまポストペットはVer.3になり、それを使わせてもらっているのだが、キャラクターのモモをデザインしている真鍋さんは、ペットワークス(ポストペットのチーム)内にモモコプロジェクトを作り、精力的にモモコシリーズで活動していた。イヴェントでは一緒に桃信桃子の6分の一人形を作ったり、それはそれは好きが高じてという言葉ほど、彼女に当てはまるものはない。

 そのモモコシリーズは現在、セキグチという玩具メーカーから全国発売されるようになり、彼女は新たにミニモモコというシリーズにアプローチしている。その発表イヴェントでも、何故かヤスキヨ、そして引田天功に並んで、オレを模したミニモモコが並んでいたのである♪

ペットワークスの主役である八谷くんは、以前、“BACK TO THE FUTURE3”に出てきた、エアボードを作ろうとジェットエンジンを使って試行錯誤していたのだが、今度は“風の谷のナウシカ”に出てきた、ナウシカの駆るメーヴェという一人乗りのグライダー?に挑戦している。二分の一モデルではすでに飛行実験に成功しているのだが、一分の一になるとコンピューターによる姿勢制御などをかなり細かく設定する必要があるらしく、それにエンジンはフランスのミサイル標的用のものを二基購入しようとしているのだ。

 しかもこれは防衛庁も欲しがっているものらしく、防衛庁より先に買ってしまってはマズくないかい?と助言している今日この頃である。(この二分の一のメーヴェは、つい最近、六本木ヒルズで行われたアートイヴェントで展示されていたので、目にした方もいるのではないでしょうか)

そんないろんなジャンルのつき合いのあるオレですが、これまた先日、メディコムトーイというフィギュアーの業界では超有名なメーカーにお邪魔させてもらい、3Dの顔写真を撮られて来ました。若いときならいざ知らず、もう人生を折り返しているオレの顔など撮ったって仕方ないと思ってしまうのだが、これもアメリカ向けのメディコムの雑誌には載ったらしい。いずれガンダムや、松田優作などと並んで、オレのフィギュアーがショーウインドーに並ぶのもそう遠い日でもなさそうな気がする。

(2004年10月)

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